海洋研究開発機構(JAMSTEC)は5日、新型の無人海中探査機「ゆめいるか」を公開した。同機は、艇長5メートル、巡航速度2-3ノット、潜航可能深度3000メートルで、13年度から調査が開始される予定。船首と船尾に取りつけられた合計8枚の羽根により、姿勢を自由に変えながら自在に走行することができるという。日本は狭い国土ながら、世界第6位の広大な排他的経済水域(EEZ)を持ち、EEZ内にはメタンハイドレートや熱水鉱床など多くの海底資源が眠っているとされる。同機の調査により、深海の状態が明らかとなり、研究開発が加速することになりそうだ。

 JAMSTECが進めていた海底資源研究プロジェクトで、人工的に作られた熱水の噴出孔から出る硫化物の堆積が、自然にできたものより早く形成されることが明らかとなった。地球深部探査船「ちきゅう」が、沖縄本島の北西150キロメートルの中部沖縄トラフの水深1000メートルに存在する深海底熱水活動域で行った調査研究の結果だ。黒鉱層を形成する海底下の熱水溜まりから直接噴出させた人工熱水噴出孔では、著しく黒鉱鉱物成分に富んだ煙突状のチムニーが容易に形成され、短期間で大規模に成長することを発見した。チムニーには、銅や亜鉛、鉛、金、銀などが含まれており、これらの資源を効率的に採取することが可能となりそう。

 10年9月に掘削された熱水噴出孔は、11年2月の調査で6メートルを超えるチムニーが形成されていた。この調査で採取は失敗しチムニーは崩壊してしまったが、同年8月の調査では8メートルを超えるまでに再成長していたことを確認。このことから、チムニーは短期間に急速に成長することが明らかとなった。

 JAMSTECは、海底掘削により鉱床形成ポテンシャルが大きい海底下の熱水を直接海底に噴出させる人工熱水噴出孔を作り、回収装置を設置し、一定の間に硫化金属鉱物を沈殿・成長させ、回収するというアイデアで、特許を出願した。黒鉱を形成するポテンシャルの高い海底下の熱水溜まりを掘削し、人工熱水噴出孔を創り出すことによって海底面での黒鉱形成・回収を行うといった、極めて低いコストや環境負荷を実現可能とする、画期的な鉱物資源回収の道を切り開く可能性があるとする。今後、深海での掘削や回収などの技術開発に弾みがつくことが期待される。(高橋克己)

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